巨象も踊る 2019 1 14

 IBMは、アメリカの製造業を代表する企業だった。
いや、世界の製造業を代表する企業だった。
 コンピューター(汎用コンピューター)と言えば、
IBMであり、他の選択肢は考えられなかった。
 IBMは、「巨人」と称されることが多く、
現代の「GAFA」よりも存在感があった。
 しかも、IBMは、汎用コンピューターだけでなく、
パーソナルコンピューター(IBM Personal Computer)まで発明した。
 「IBM PC」というパーソナルコンピューターは人類史に残るかもしれない。
少なくとも、コンピューターの歴史には残る。
 しかし、そこが頂点となったかもしれない。
汎用コンピューターには、安価な互換機が出現して、
パーソナルコンピューターにおいては、
IBMが、そのアーキテクチャを公開したため、
世界は、「IBM PC互換機」(PC/AT互換機)であふれた。
 コンパックという互換機メーカーが巨大企業となり、
「IBM PC互換機」そのものが、世界標準となってしまった。
 こうして、巨人と称されたIBMは、
製造業から撤退し、サービス業として生き残る道を選んだ。
 しかし、その道には、すでにマイクロソフトという巨人が存在し、
やがて、グーグルやアマゾン(AWS)が彗星のごとく現れるとは想像もできなかった。
 巨象でも踊れる。
しかし、時代の変化は、早かった。
それでも、巨人の歴史は、人類の歴史となるだろう。
 日が暮れるのは早い。
イエスキリストの日記には、そう記されているのかもしれない。
これは、キリスト教国における騎士たちの栄枯盛衰の物語である。
(参考文献)
「巨象も踊る」 ルイス・ガースナー 日本経済新聞社
Who Says Elephants Can't Dance? by Louis V. Gerstner,Jr.












































































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